「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」を読んだ
家族に勧められて冬休みの課題図書よろしくこの本を読んだが、色々と良かった。
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本 Kindle版
この本は、ADD・ADHD・ASD・LDなどの特性を持った当事者が、どのような特徴的な振る舞いをするのか、それらに対してどのようなワークアラウンドがあるのかを書いた本である。診断されたわけではないが、家族にこういった特性があるというメンバーがいることもあり読んだ。シリーズとしていくつか本が出ているが、この本は働く上でのよくある話とそれの対処法を書いたものになる。
本書を読んで一番学びが大きかったのが、「時間感覚が乏しい」「強い興味が出ることしかモチベーションがわかなくてできない」という点である。
前者は、ADHDの傾向として、追い詰められて締め切り直前にわーっとやってしまうというパターンが多い。これは、時間の感覚が薄く、計画を立てるのが非常に苦手、ということから現れる。なので、先延ばしにしてしまいがちである。Days Matterのようなカウントダウン式の予定管理アプリを活用したり、締め切りを公言するのが良いという話だった。また、細かいゴールにタスクを分割するという方法も提示されていた。これに関連して、ASDは優先度の判断が苦手、という話も書かれていた。何が最優先なのかは文脈とともに判断されるため、重要性と緊急性とを書き出した判断しようという話があった。
ADHD傾向が強いと後者は興味がないタスクは完遂できないという振る舞いに現れる。複数のタスクを用意しておいて、飽きたら違うことをやるなどをして対処をするのが良いと書かれていた。
このように、具体的なあるあるとそれに対してどのように対処するのかを、アプリやソフトウェアの力も借りつつ具体的なワークアラウンドが提案されているため、当事者の人もそうだがボーダーの人が読んでも「こういう振る舞い自分もちょいちょいするけど、こういう対処ができるのか」という学びがある。
こうしたスペシャルニーズが必要な人に対しては、そうでない人に対して言われている一般的な方法(タスク管理はこうしろ、など)は曖昧性が高く通じないことが多いため、当事者の人の具体的な工夫を知ることで、引き出しを増やせるおくのはとても良かった。